
フルマラソンへの挑戦を決めたなんて、本当に素晴らしいことですね!
エントリーしたときは「やるぞ!」と意気込んでいたものの、いざ練習を始めてみたり、大会が近づいてきたりすると、色々な不安が出てくるのではないでしょうか?
特に、普段ランニングマシン(トレッドミル)で練習されている方や、これから本格的に走り始める方にとって、「一体どれくらいのスピードで走り続ければいいの?」というのは、とても大きな疑問ですよね。
「時速何キロで設定すればいいんだろう?」とか、「ペース配分ってよく聞くけど、最初から最後まで同じ速さでいいのかな?」なんて、考えれば考えるほどわからなくなってしまいますよね。
実は、多くの初心者ランナーさんが同じように悩んでいるんですよ。
周りの経験者に聞くと「キロ7分くらいかな」なんて言われて、「えっ、時速じゃないの?」と戸惑ってしまうこともあるかもしれませんね。
この記事では、そんなあなたのために、フルマラソン完走に向けた具体的な「時速」と「ペース配分」について、専門用語をできるだけ使わずにやさしく解説していきます。
これを読めば、自分が目指すべきスピードが明確になって、本番に向けて安心して練習に取り組めるようになりますよ。
完走した後の達成感あふれる笑顔をイメージしながら、一緒に確認していきましょう!
完走を目指すなら時速7km〜9kmが目安です

まず結論からお伝えしますね。
フルマラソンを初めて走る方や、まずは完走を目標にする方の場合、目安となるスピードは時速7kmから9kmの間くらいと考えておくと良いでしょう。
「えっ、そんなにゆっくりでいいの?」と驚かれるかもしれませんね。
あるいは、「時速9kmって結構速くない?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
この幅は、あなたが目指すゴールタイム(完走時間)によって変わってくるんです。
具体的には、以下のようなイメージを持ってみてください。
- 6時間で完走したい場合:平均時速 約7.0km
- 5時間で完走したい場合:平均時速 約8.4km
- 4時間30分を目指す場合:平均時速 約9.4km
こうして数字で見ると、少し具体的になってきませんか?
時速7kmというのは、かなり早歩きに近いジョギングのスピードです。
不動産屋さんの徒歩表示が時速4.8km(分速80m)と言われていますから、それよりは速いですが、全力疾走とは程遠い、おしゃべりができるくらいのペースなんですね。
「それなら自分にもできそう!」と思ってもらえたら嬉しいです。
ただ、これはあくまで「平均」の時速です。
フルマラソンは42.195kmという長い長い道のりですから、ずっと同じ時速で走り続けるのは、実はロボットでもない限りとても難しいことなんですね。
そこで重要になってくるのが、後半にお伝えする「ペース配分」という考え方なんです。
なぜその時速とペース配分になるのでしょうか?

では、なぜ時速7km〜9kmという数字が出てくるのか、そしてなぜペース配分を考えなければならないのか、その理由をもう少し深く掘り下げてみましょう。
理由がわかると、練習への取り組み方も変わってきますよね。
42.195kmという距離の長さを想像してみましょう
42.195kmという距離、車で走っても結構な時間がかかりますよね。
これを人間の足で移動するわけですから、体にかかる負担は相当なものです。
初心者の場合、多くの大会の制限時間である6時間から7時間動き続けることになります。
想像してみてください。朝の9時にスタートして、ゴールするのは午後3時や4時。
これだけの長時間、高い心拍数で走り続けることは、トップアスリートでも至難の業です。
だからこそ、「呼吸が乱れない」「笑顔で走れる」くらいの強度が、完走するための絶対条件になってくるんですね。
それが、多くの人にとって時速7km〜9kmという範囲に収まるのです。
もし時速10km(6分/km)以上のペースで走り続けると、初心者の方にとっては「無酸素運動」の領域に近づいてしまい、早い段階でエネルギー切れを起こしてしまう可能性が高いんです。
「ゆっくり走る勇気」が大切だと言われるのは、こういう理由があるからなんですね。
ランナー用語の「ペース」と「時速」を翻訳してみます
マラソンの世界では「時速」よりも「1kmを何分で走るか」という「ペース」という単位がよく使われます。
これ、最初は慣れないですよね。
「キロ7分で走ろう」と言われても、「それってランニングマシンの設定で言うといくつなの?」ってなっちゃいますよね。
ここで、頭の中を整理するための換算表を作ってみました。
これを知っておくと、ジムでの練習と外でのランニングがリンクしやすくなりますよ。
- 1km 6分00秒 ≒ 時速10.0km(中級者への入り口)
- 1km 6分30秒 ≒ 時速 9.2km
- 1km 7分00秒 ≒ 時速 8.6km(初心者の標準的なジョグ)
- 1km 7分30秒 ≒ 時速 8.0km
- 1km 8分00秒 ≒ 時速 7.5km(ゆっくりジョグ)
- 1km 9分00秒 ≒ 時速 6.7km(早歩きに近い)
- 1km 10分00秒 ≒ 時速 6.0km(ウォーキング)
こうして見ると、時速8.6km(キロ7分)くらいが、多くの初心者ランナーにとっての基準になりそうだとわかりますね。
ランニングマシンで練習するときは、時速8km〜9kmあたりを行ったり来たりしながら、自分が心地よく走り続けられるポイントを探してみるといいかもしれませんね。
後半の「30kmの壁」に備えるための配分
フルマラソンには「30kmの壁」という言葉があるのをご存知ですか?
30kmを過ぎたあたりで急に足が動かなくなったり、エネルギーが切れてしまったりする現象のことです。
これは、体内の糖質(グリコーゲン)が枯渇してしまうことが主な原因と言われています。
もし、スタート直後の元気なうちに「今のうちに時間を稼いでおこう!」と思って速いペース(高い時速)で走ってしまうとどうなるでしょうか?
きっと、ガソリンを急激に消費してしまい、30km地点どころか20km過ぎでガス欠になってしまうかもしれません。
これを防ぐために、「前半はあえてゆっくり走る」というペース配分が、初心者にとっての必勝法となるんですね。
無理なく完走するための具体的なペース配分例

では、具体的にどのようにペースを配分すればいいのでしょうか?
ここでは、よくある3つの目標タイムに合わせて、具体的なシミュレーションをしてみましょう。
ご自身の目標に合わせて参考にしてみてくださいね。
まずは完走!制限時間内(6時間〜7時間)を目指す場合
「タイムよりも、とにかく時間内にゴールしたい!」
そう思っているあなたには、「頑張りすぎない」ペース配分がおすすめです。
多くの大会では制限時間が6時間や7時間に設定されています。
6時間でゴールするためには、平均ペースは「1kmあたり8分30秒(時速約7km)」です。
この作戦のポイントは、「歩きを混ぜてもOK」と考えることです。
- スタート〜10km:周りの流れに流されず、時速7.5km(キロ8分)くらいでゆっくり入ります。
- 10km〜20km:体が温まってきてもペースは上げず、リズムをキープします。給水所では必ず止まって歩いて飲みましょう。
- 20km〜30km:少し疲れが出てくる頃です。ここで無理せず、時速7km(キロ8分半)くらいに落ちても焦らないでください。
- 30km〜ゴール:ここからは粘りです。時速6km(キロ10分)の早歩きになっても、止まらなければ6時間でゴールできます!
「歩いてもいいんだ」と思うだけで、気持ちがすごく楽になりませんか?
給水所やエイドステーション(食べ物がある場所)では、しっかりと歩いて休憩をとる。これも立派なペース配分戦略の一つなんですよ。
ちょっと頑張って「サブ5(5時間切り)」を目指す場合
少し練習を積んできて、「できれば5時間を切りたいな」と考えている方も多いですよね。
市民ランナーの一つの勲章とも言える「サブ5」。
これを達成するための平均ペースは「1kmあたり7分06秒(時速約8.4km)」です。
この場合の理想的なペース配分は、「ネガティブスプリット」を意識することです。
ネガティブスプリットとは、前半を後半よりもゆっくり走ること。
「え?後半疲れるのに、後半を速くするの?」と不思議に思うかもしれませんね。
- スタート〜5km:混雑もあるので焦らず。時速8.0km(キロ7分30秒)くらいで入ります。「遅すぎるかな?」と思うくらいで正解です。
- 5km〜25km:巡航速度に乗せます。時速8.5km〜8.8km(キロ6分50秒〜7分)くらいのリズムを刻みます。淡々と、機械のように。
- 25km〜35km:ここが頑張りどころです。前半抑えた体力を使い、ペースを維持します。多くの人が落ちてくるので、ゴボウ抜きできるかもしれませんよ!
- 35km〜ゴール:ラストスパートです。残った力を振り絞って、笑顔でゴールしましょう。
前半に「時速8km」で体力を温存できたかどうかが、後半の失速を防ぐ鍵になるんですね。
「貯金を作ろう」として前半に時速10km出してしまうと、後半は歩いてしまい、結果的に5時間を超えてしまうことが多いので注意が必要です。
憧れの「サブ4(4時間切り)」を目指す場合
もしあなたが運動経験豊富で、初マラソンでも「サブ4(4時間切り)」という高い目標を掲げているなら、求められるレベルはぐっと上がります。
平均ペースは「1kmあたり5分40秒(時速約10.6km)」です。
これはもう「ジョギング」ではなく、しっかりとした「ランニング」の領域ですね。
サブ4を目指す場合でも、やはり「イーブンペース(一定のペース)」か「ややネガティブスプリット」が基本です。
- スタート〜10km:時速10.5km(キロ5分45秒)程度で落ち着いて入ります。
- 10km〜30km:時速10.7km(キロ5分35秒〜40秒)をひたすらキープ。無心で走ります。
- 30km〜ゴール:ペースダウンを最小限に抑える戦いです。ここで時速10km(キロ6分)まで落ちても、前半の蓄積でギリギリ達成できる計算です。
ただ、初マラソンでこのペース配分を完璧にこなすのは至難の業です。
まずは5時間や4時間半を目標にして、レースの雰囲気を楽しむのも一つの選択肢かもしれませんね。
成功するための時速とペース管理のコツ

目標の時速やペースが決まったら、それを本番で実行するためのコツを知っておきましょう。
頭ではわかっていても、いざスタートラインに立つと、雰囲気に飲まれてしまうことがよくあるんです。
「わかります、その気持ち」という経験者の方も多いはずです。
スタート直後の「アドレナリン」という罠
大会当日は、数千人、数万人のランナーと一緒にスタートします。
沿道の応援、華やかな音楽、高揚感。
アドレナリンが大量に出て、体は軽く感じ、痛みも忘れ、「あれ?今日は調子がいいかも!」と錯覚してしまうんです。
これが一番の罠なんですね。
本当は時速8kmで入る予定だったのに、気づいたら時速10kmや11kmで走っていた…なんてことは、初心者あるあるの失敗談ナンバーワンと言っても過言ではありません。
「調子がいい」と感じても、最初の5kmは意識的にブレーキをかける。
「こんなに遅くていいの?」と不安になるくらいゆっくり走るのが、完走への近道ですよ。
トイレや給水のロスタイムを計算に入れる
先ほど計算した「平均時速」には、トイレ休憩や給水でのストップ時間は含まれていません。
初心者の方の場合、トイレに1回行くと5分〜10分のロスになることもあります。
また、給水所ごとに立ち止まって飲むと、トータルで結構な時間になりますよね。
ですので、目標タイムから逆算するときは、実質走るペースを少し速めに見積もっておくか、ロスタイムを含めた余裕のある目標設定にすることが大切です。
例えば、5時間切りを目指すなら、走っている時のペースは平均時速8.4kmよりも少し速い、時速8.6km〜8.7kmくらいをイメージしておくと、トイレ休憩の分をカバーできるかもしれませんね。
スマートウォッチやアプリを活用しよう
「自分の今の時速やペースがわからない」という悩みを解決してくれるのが、GPS機能付きのスマートウォッチやスマートフォンのランニングアプリです。
これらを使うと、リアルタイムで「現在のペース(1km何分)」や「時速」を表示してくれます。
走りながら手元を見て、「あ、今キロ6分半だ。ちょっと速すぎるな、落とそう」といった具合に調整できるんです。
これがあるのとないのとでは、ペース配分のしやすさが段違いです。
もしまだお持ちでなければ、本番に向けて用意してみるのもいいかもしれませんね。
一緒に走ってくれる頼もしいパートナーになりますよ。
まとめ:焦らず自分のリズムを見つけることが大切です
ここまで、フルマラソン初心者に向けた時速とペース配分についてお話ししてきました。
たくさんの数字が出てきましたが、最後に要点を整理しておきましょう。
フルマラソン初心者さんの目安は以下の通りです。
- 時速の目安:時速7km〜9km(早歩き〜ゆっくりジョギング)
- ペースの目安:1kmあたり7分〜8分30秒
- ペース配分の鉄則:前半は「遅すぎるかな?」と思うくらいゆっくり入る(ネガティブスプリット)
- 大切な心構え:周りに流されず、自分の心地よいリズムを守る
きっと、「思っていたよりゆっくりでいいんだ」と安心された方も多いのではないでしょうか。
フルマラソンは、誰かと競うものではなく、過去の自分や、42.195kmという距離と向き合うスポーツです。
速く走ることよりも、長く動き続けることの方がずっと大切なんですね。
あなたの「完走」を心から応援しています
初めてのフルマラソン、不安なことはたくさんあると思います。
「本当に完走できるかな?」「途中で歩いちゃったらどうしよう」
そんなふうに思うのは、あなたが真剣に向き合っている証拠です。
でも、大丈夫です。
今日知った「時速7〜9km」というペースを守り、前半を抑えて入ることができれば、完走の確率はぐっと高まります。
途中で歩いてしまっても、それは失敗ではありません。
前に進み続けていれば、必ずゴールは待っています。
当日は、沿道の声援がきっとあなたの背中を押してくれるはずです。
苦しい場面もあるかもしれませんが、それも含めてフルマラソンの醍醐味です。
自分のペースで、一歩一歩、ゴールに向かって進んでいってくださいね。
フィニッシュラインで待っている最高の達成感を、ぜひ味わってきてください!