
「テレビや街中で走っている人を見て、私もあんな風に爽やかに走ってみたいな」
「運動不足を解消するために、少しずつランニングを始めてみようかな」
もしかしたら、あなたもそんな風に新しい目標に向かって、一歩を踏み出そうとしているところかもしれませんね。
でも、いざお気に入りのシューズを履いて外に出て走ってみると、すぐに息が上がってしまったり、膝やふくらはぎが痛くなってしまったり……。
「やっぱり私には体力がないのかな」「マラソンなんて夢のまた夢なのかも」なんて、少し落ち込んでしまうことってありますよね。
一生懸命頑張ろうとしたからこそ、そのギャップに戸惑うのは当然のことなんです。
新しいことを始めるときは、つい最初からアクセルを全開にしてしまいがちですよね。
そこでぜひ取り入れていただきたいのが、ウォーキングから始めるというアプローチ。
この記事をゆっくり読んでいただければ、なぜ歩くことが完走への一番の近道になるのかが、きっとよくわかるはずです。
無理のないペースで、ケガの不安を手放しながら、走れる体を少しずつ育てていくためのヒントをたくさん集めましたのでぜひ参考にしてみて下さい。
マラソン完走への第一歩は歩くことから

マラソン初心者にとって、ウォーキングは最初の必須トレーニングであり、ケガを防ぎながら走れる体を作るうえで最も安全で効果的な入り口とされています。
「走れるようになりたいのに、まずは歩くの?」と、少し驚かれたかもしれませんね。
もしかしたら、「歩いているだけじゃ、いつまでたっても走れるようにならないんじゃ……」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、安心してくださいね。
多くの専門家や大会の公式ページでも、初めての方はまずウォーキングからスタートすることが共通して推奨されているんです。
遠回りのように見えて、実はこれが一番の近道なんですね。
心臓や肺、そして足の筋肉や関節に「これから少しずつ運動していくよ」と優しく教えてあげる時間が、ウォーキングの時間なんです。
焦らずに、まずはウォーキングシューズと一緒に外の空気を楽しむことから始めるのが良いとされていますよ。
なぜ最初のステップに選ばれるのか

それでは、どうしてウォーキングがそこまで重要視されているのか、その理由をもう少し詳しく一緒に見ていきましょう。
きっと「なるほど、そういうことだったんだ」と、腑に落ちる部分がたくさんあるはずですよ。
急なランニングによるケガや挫折を防ぐため
日頃あまり運動をしていない状態からいきなり走り始めると、途中で挫折してしまったり、ケガをしてしまう恐れが大きいと指摘されています。
私たちも、長い間使っていなかった機械を急にフルパワーで動かそうとしたら、どこかがギシギシと悲鳴を上げてしまうだろうな、と想像できますよね。
人間の体もそれと同じ。
走るという動作は、着地の瞬間に体重の何倍もの衝撃が足や膝にかかると言われています。
まだその衝撃を受け止める準備ができていない状態で走り続けると、関節や筋肉がびっくりして痛みを出してしまうんですね。
痛い思いをすると、「やっぱり楽しくない」「私には向いていない」と、心が折れてしまう原因にもなりかねません。
せっかく芽生えた「走ってみたい」という素敵な気持ちを大切に育てるためにも、まずはケガのリスクを抑えられるウォーキングから始めることがとても大切なんですね。
体全体を「走れる状態」へ優しく準備できる
ウォーキングは、ランニングのための体づくりとして非常に有効で、脚づくりと新しいシューズの足慣らしを同時に行えるとされています。
ウォーキングを続けていくと、足の筋肉が少しずつ強くなり、関節の柔軟性も増してきます。
また、心肺機能も徐々に鍛えられていくんですね。
走るために必要なエンジン(心肺)とタイヤ(足)を、歩きながらじっくりとアップグレードしていくようなイメージかもしれません。
さらに、新しく買ったランニングシューズって、最初は少し硬く感じることがありますよね。
ウォーキングを通じてシューズを足にしっかりなじませておくことで、いざ走り出したときの靴擦れなどのトラブルも防ぐことができるんです。
体と道具の両方の準備が整うなんて、とても効率が良いと思いませんか?
心理的なハードルが低く、無理なく習慣化できる
「まずは休日に30分のウォーキングから」といったように、取り組みやすい目標を設定することで、運動を継続しやすくなるとされています。
「よし、今日は5km走るぞ!」と思うと、ウエアに着替えるのも少し気合いが必要になりますよね。
天気がちょっと悪かったり、少し疲れていたりすると、「今日はやめておこうかな」という気持ちに負けてしまうことも多いかもしれません。
でも、「まずは歩くだけでいいんだ」と思えば、ずいぶんと気持ちが楽になりませんか?
お気に入りの音楽を聴きながら、あるいは近所の季節の変化を楽しみながら歩く時間は、辛いトレーニングというよりも、心地よいリフレッシュの時間に変わっていくはずです。
運動は、何よりも「続けること」が一番の力になります。
習慣化へのハードルをぐっと下げてくれるのも、ウォーキングの大きな魅力なんですね。
フォームの基礎が身につき、タイム向上にもつながる
実は、正しいウォーキングを行えば、歩くだけでもマラソンのタイムは伸びていくと解説されているんです。
上手な体の動かし方をマスターすることで、驚くほど走りが変わるとされているんですね。
ウォーキングとランニングは、スピードこそ違いますが、姿勢や重心の移動、腕の振り方など、根底にある動きの基本はとてもよく似ています。
歩きながら正しいフォームを体に覚え込ませておけば、いざ走り出したときにも、その無駄のないきれいなフォームを自然と引き継ぐことができるんですね。
ゆっくりとしたペースだからこそ、自分の体の動かし方に意識を向ける余裕が生まれます。
「ただ漫然と歩く」のではなく、自分の体を丁寧にコントロールする感覚を養うことが、将来のランナーとしての大きな財産になるのかもしれませんね。
実践しやすい基本メニューと正しい歩き方

ウォーキングの大切さがわかってくると、「じゃあ、具体的にどんな風に歩けばいいの?」と気になってきますよね。
ここからは、初心者の方が迷わずに始められるような、具体的なメニューや時間、そして正しいフォームのポイントについて一緒に確認していきましょう。
決して難しいことではないので、明日からでもすぐに試していただけるはずですよ。
まずはどれくらいの時間歩けばいい?
複数のランニング専門サイトや大会の公式ページでは、最初のスタートラインとして「まずは30分のウォーキング」が共通して推奨されています。
30分と聞くと、あなたはどう感じますか?
「それくらいならできそうかな」と思う方もいれば、「普段歩かないから少し長いかも」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
- 初めの1週間は、30分のウォーキングを目標に行うと良いとされています。
- それに慣れてきたら、30分から45分、そして60分へと、少しずつ時間を延ばしていくのが理想的です。
- 60分のウォーキングが余裕でできるようになったら、いよいよジョギングへの移行のサインとなります。
最初から毎日やらなきゃ!と気負う必要はありません。
まずは週に2~3回程度のペースから始めることが理想です。
お休みの日の朝や、仕事から帰ってきた後の少し涼しい時間など、ご自身の生活リズムに無理なく組み込めるタイミングを見つけてみてくださいね。
どんなペースで歩くのが効果的?
歩くスピードも、少しだけ意識してみると効果がぐんとアップします。
目安としては、「汗がじわっと出る」「少し息が上がる」程度のペースでOK。
- 普段お買い物をするときに歩くスピードよりも、少しだけ速く歩く「速歩き」が推奨されています。
- 具体的には、1kmを10分程度で歩くペースが目安とされています。
- 「ハアハアと少し息が上がるぐらい」が、有酸素運動として心肺機能や持久力を高めるのに十分な負荷になると解説されています。
もちろん、歩き始めの最初から無理にスピードを上げる必要はありませんよ。
最初の5分くらいはゆっくりと体を温めるように歩き、徐々にペースを上げていくのが体にも優しいアプローチです。
誰かとおしゃべりしながらでも、ギリギリ会話が楽しめるくらいの「ややキツいけれど心地よい」ペースを探してみてくださいね。
マラソンにつながる正しいフォームのポイント
歩く時間やペースに慣れてきたら、次は「歩き方」にも少しだけ意識を向けてみましょう。
複数の指導記事でフォームの重要性が強調されており、「ただ漫然と歩かない」ことがポイント。
ここでお伝えするフォームは、そのままランニングフォームの基礎になる大切なものです。
一つずつ、丁寧に確認していきましょうね。
姿勢と上半身の作り方
まずは、基本となる姿勢からです。
真っ直ぐに立ち、背筋をピンと伸ばすことが大切とされています。
- 少し胸を張り、腰を高い位置に保つようなイメージで歩く
- 頭のてっぺんから足元まで、体の中に1本の軸がスッと通っているような感覚を持つと良い
- 肩甲骨を寄せるようにして肩を少し後ろに引いておくと、腕の振りが安定しやすくなる。
猫背になってしまったり、逆に腰が反りすぎてしまったりすると、特定の関節に負担がかかりやすくなってしまいます。
歩き出しの前に、一度深呼吸をして肩の力を抜き、スッと背を伸ばす習慣をつけてみるのも良いかもしれませんね。
スムーズな腕の使い方
足の動きについ気を取られがちですが、実は腕の使い方も足の運びを助ける大切な役割を持っています。
- 肘はほぼ直角(90度くらい)に曲げておきます。
- 腕を前に振るというよりも、後ろに大きく引くように振るのがコツとされています。
- 「腕だけを振る」というよりは、肩甲骨からしっかりと動かして歩く感覚を意識してみてください。
腕を後ろにしっかりと引くことで、骨盤が連動して自然と足が前に出やすくなるんですね。
リズムよく腕を振ることで、少し速いペースでもリズミカルに歩き続けることができるようになりますよ。
足の運び方と着地のコツ
最後は、いよいよ足の動きです。
ケガを防ぐためにも、着地の仕方はとても重要なポイントになります。
- かかとから優しく着地し、足裏を転がすようにして、最後はつま先でしっかりと地面を蹴り出します。
- 歩幅は普段よりもやや広めを意識し、足先だけでなく腰から足全体を前に出していくようなイメージを持つとスムーズです。
- 左右の足が交差しないように、足をまっすぐ前に出すことを心がけます。
- 視線は足元に下げず、少し遠くの前方を真っ直ぐに見るようにしましょう。
これらの動きをすべて一度に意識するのは、少し難しく感じるかもしれません。
「今日は腕の振りを意識してみよう」「明日はかかとからの着地に気をつけてみよう」というように、毎回一つずつテーマを決めて取り組んでみるのも楽しいですよ。
ジョギングへ向けたステップアップの方法

ウォーキングを続けていくと、きっと「なんだか体が軽く感じる」「もう少し動かしてみたいかも」という前向きな変化が現れてくるはずです。
それは、あなたの体が次のステージへ進む準備ができたという素敵なサインなんですね。
では、どのようにしてランニングへと移行していけば良いのでしょうか。
専門家や大会公式が推奨する、無理のないステップアップの例をご紹介しますね。
ステップ例1:ウォーキングとランニングを組み合わせる
まずは30分のウォーキングが安定して心地よく行えるようになったら、少しずつ走る要素を混ぜていく方法です。
「ラン&ウォーク」と呼ばれるこの方法は、息が上がりすぎるのを防ぎながら、走る感覚に慣れていくのにとても有効とされています。
- 例えば、最初の10分はウォーキングで体を温め、次の10分だけゆっくりとランニングをし、最後の10分はまたウォーキングで息を整える、という組み合わせ(計30分)から始めてみます。
- これに慣れてきたら、ウォーキングを前後5分ずつにし、真ん中のランニングの時間を20分に増やすなど、少しずつ走る比率を大きくしていきます。
また、ランニングの専門サイトであるRUNNETのメニューでは、次のような方法も紹介されています。
- 「5分間走って、2~3分間歩く」というのを1つのセットとして繰り返します
- 走るのが少し厳しく感じたら、走る部分を「速歩き」に切り替えても全く問題ありません
- 大切なのは、完全に疲れて息が上がってしまう前に、走るのをやめて歩きに切り替えることを重視する点
「疲れる前に歩く」というルールがあると、気持ちにもすごく余裕が持てますよね。
ステップ例2:60分歩ける自信がついたらジョギングへ
もう一つのアプローチとして、大阪マラソンが提供する初心者向けメソッドをご紹介します。
こちらは、時間の長さを指標にしてステップアップしていく、とてもわかりやすい方法です。
- まず、正しいフォームでのウォーキングが「60分間、余裕でできる」状態を目指す
- 60分歩き続けるスタミナがついたら、いよいよジョギングへの挑戦です。最初は30分間のジョギングから始めてみる
- ジョギングのペースは、1kmを8~10分程度かける、とてもゆっくりとしたペースが目安とされている(おしゃべりができるくらいの余裕のあるスピードです)
- 徐々にジョギングの時間や距離を伸ばしていき、最初の大きな目標として「60分間走り続けること」を目指す
- 最終的には、2~2.5時間走り続けられる状態になることを目標にしていく
60分間歩けたという自信が、きっと「30分なら走れるかも!」という勇気に変わっていくはずです。
焦らず、じっくりと土台を固めていくことが、結果的に一番確実な方法なのかもしれませんね。
日常生活の中で無理なく習慣にするヒント
ここまで読んでいただいて、「よし、やってみよう!」という気持ちになっていただけたならとても嬉しいです。
でも、忙しい毎日の中で、新しく運動のための時間を作るのって、なかなか大変だったりしますよね。
「週に2~3回も時間が取れるかな」と心配になる方もいらっしゃるかもしれません。
わざわざ「運動の時間」を作らなくても、生活の中に自然にウォーキングを組み込む工夫もあります。
これなら、私たちにもできそうな気がしませんか?
- 通勤や通学のときに、いつもより1駅、あるいは2駅手前で電車やバスを降りて、目的地まで歩いてみる
- 駅やデパートなどで、無意識にエスカレーターやエレベーターを探すのではなく、積極的に階段を活用してみる
- 休日は、道端に咲く季節の花や風景をスマートフォンのカメラで撮影しながら歩いてみたり、少し遠くにある評判のケーキショップを目指して歩くなど、自分の趣味や楽しみと組み合わせてみる
「ただ歩く」だけだと退屈してしまうかもしれませんが、目的や楽しみがあると、あっという間に時間が過ぎてしまいますよね。
こうしたちょっとした工夫の積み重ねで、週2~3回、20~30分程度のウォーキングを継続することは十分に現実的になるとされています。
初心者の皆さんに気をつけてほしいこと
最後に、ケガなく楽しく続けていくために、いくつか心に留めておいていただきたい注意点をお伝えしますね。
頑張り屋さんほど陥りやすいポイントなので、ぜひ覚えておいてください。
最初から無理に速く歩きすぎない
運動を始めると、つい「もっと速く!もっと汗をかかなきゃ!」と頑張りすぎてしまうことがありますよね。
でも、歩き始めは1kmを10分程度というゆっくりとしたペースから入り、体や呼吸が慣れてきてから徐々に速度を上げることが推奨されています。
まずは無理にスピードを追わず、姿勢やフォームを整えることに意識を向けることが大切なんですね。
疲労を溜め込まないペース配分を
運動の強度は、「翌日に強い筋肉痛や重い疲労感が残らない程度」を目安にすると良いそうです。
1日運動したら翌日は完全な休息日にするなど、オーバートレーニング(運動のしすぎ)を避けることが重要です。
休むことも、立派なトレーニングの一つなんですね。
体が「少し物足りないな、また明日も歩きたいな」と感じるくらいでやめておくのが、長く続けるための秘訣かもしれません。
ウォーキングから始まる新しい自分への道のり
いかがでしたでしょうか。
ウォーキングが単なる「歩き」ではなく、マラソン完走という大きな目標に向けた、立派な「最初のトレーニング」であることがお伝えできたなら嬉しいです。
- いきなり走るのではなく、ウォーキングで心肺機能と足の筋肉を安全に目覚めさせる。
- 正しいフォーム(背筋を伸ばす、かかと着地、腕を引く)を意識して歩くことで、走るための基礎を身につける。
- 週2~3回、30分のウォーキングから始め、慣れてきたら徐々にランニングを交ぜていく。
- 日常のちょっとした移動時間を活用して、無理なく習慣化する。
これらを意識するだけで、「フォーム作り」「脚づくり」「習慣作り」という、ランナーにとって最も大切な3つの要素を同時にこなすことができると、多くの専門家が推奨しているんですね。
いきなり高い壁を登ろうとするのではなく、まずは緩やかな坂道を、景色を楽しみながら自分のペースで歩き出してみませんか?
さあ、今日から自分のペースで一歩を踏み出そう
ここまで読んでくださったあなたは、きっともう、マラソンに挑戦するための大切な知識をしっかりと手に入れられたはずです。
「私には無理かも」という不安は、少しずつ「私にもできるかも」というワクワク感に変わってきてはいませんか?
周りの人が颯爽と走っているのを見ると、焦る気持ちが出てくることもあるかもしれません。
でも、誰かと比べる必要は全くないんですね。
あなたの体には、あなたのペースがあります。
まずは、お気に入りのシューズを履いて外の空気を胸いっぱいに吸い込むことから始めてみてください。
最初は少し息が上がっても、少し筋肉痛になっても、それはあなたの体が確実に前へ進んでいる証拠です。
ウォーキングから丁寧に積み上げたその土台は、いつかあなたがマラソン大会のゴールテープを切るその瞬間に、必ずあなたを力強く支えてくれますよ。